例えばこんなご提案PLANNING

光と灯りのお話「明」と「暗」のバランス

同じ明るさの空間でもその感じ方は人によって異なります。光の性格を知り、空間に取り入れることで暮らしの質感もまた変化するのです。私たち日本人は古来から光の明暗に対しての感性を持っていましたが、高度経済成長期に植え付けられた「豊かさ=明るさ」の価値観により室内の至るところまで明るく照らし出す生活に馴染んでしまったようです。例えば、最近訪れた心や体を癒す上質なホテルラウンジやバーカウンター。必要な「明」と気分を落ち着かせる「暗」を上手に採択するデザイナーさんは「さすがだなー。」と素直に受け入れてしまいます。夜は暗いからこそ休まるものと感じます。

また、器具自体に存在感があると、それが空間のイメージを決定してしまうので、山義では照明器具はシンプルで安価なものを使います。照明器具をデザイン性で選ぶのではなく、性格の違う光や灯りをどう設計するか?がとても大事なことだと考えています。しかし、私たちが考える「さりげない照明器具」はとても少なく、ご提案する種類が限られてしまっているのが悩みです…。青白い光を放つ蛍光灯は出来る限りおススメしたくはありません。いずれにしても、会社で仕事をして、学校で勉強をして、帰宅後もまた部屋中が明るく煌々と「目を覚ませ!」という家は気が休まらないように感じているのです。

山義では住まいの光を大きく二つに分けています。 一つは空間の基礎光。ダウンライトやブラケットライト、ペンダントライトなど建築工事が必要なもの。もう一つは光の陰影を豊かにするフロアライトやテーブルライト、またはロウソクの炎など個人でご準備いただくフレキシブルな演出光。この二つの光を使い分けながら空間を明るく、または暗くし光の性格やバランスを考慮しています。ダウンライトやブラケットライトの基礎光だけで住宅全体を構成するのではなくテーブルライトやフロアライトの演出光で読書や夫婦の語らいを演出したりすることが大切だと思い、そんなご提案をさせていただいています。